
転職を考えているけど、ベテランでも若手と同じような転職活動で良いのかなぁ・・・
私は40代で転職を経験し、実際に転職するまで1年近くかかりました。振り返ってみるともう少し効率的にできた部分もあったなと思ったためミドル層の転職について解説します。
以前は、転職は30歳までとか、収入ダウンが当たり前といった定説もありましたが、現代では全然そんなことはありません。
最短で転職を成功させるため、活動を長期化させず効率良く内定を取れるよう準備をしていきましょう。
転職活動で使用する求人媒体を決める
まず最初にどの媒体をメインに使用して転職活動を進めるか検討しましょう。
求人媒体の種類
一般的には以下のような媒体があります。紙面での求人はかなり少なくなってきました。転職サイト、転職エージェント、ハローワークを経由しての転職が多いです。


各媒体のメリットとデメリットの比較
媒体 | メリット | デメリット |
---|---|---|
転職サイト | ・求人数が多い ・自分のペースで応募できる | ・条件を比較検討するのに時間がかかる ・良い求人は応募者数が多く競争率が高い |
転職エージェント | ・効率が良い ・CAからアドバイスがもらえる | ・多くの求人を比較検討するのは難しい ・紹介を受けると断りにくいときがある |
ハローワーク | ・地元に特化して探せる、転勤少ない ・採用決定までが早い | ・賃金や手当などが低い求人が多い ・福利厚生は充実していない会社が多い |
ハローワークは簡単に応募でき、面接も1回か2回の場合が多いため内定は得られやすいですが、労働条件が良い求人は少ないため地元限定で探している方以外は活用するのが難しいです。
転職サイトと転職エージェントは併用しても良いです。
また転職サイトは、良い求人は非常に応募者も多く競争になるため、希望する求人で内定を得るのは効率が悪くなりがちです。
ミドル層の転職で好待遇を求めるのであれば転職エージェントを使った活動一択です。
ミドルにおすすめ!3つの転職エージェント
転職エージェントごとに若手人材向き、ハイクラス向きなど、それぞれ特徴があります。
ミドルに向いていると思われる3つのエージェントを紹介します。
おすすめの転職エージェント①
・JAC リクルートメント
ミドルの案件に多い管理職、専門職、外資系など比較的高収入の支援に強みあり。個人的にはここで転職が決まったこともあり、その際に受けたフォローは他の転職エージェントの中でNo1でした。
コンサルタントもすごく親身になって相談に乗ってくれます。求人の半数以上が非公開案件が占めており、数よりも質が良いのが特徴です。
おすすめの転職エージェント②
・リクルートエージェント
求人数はトップクラス。登録は必ずしておいたほうが良いです。とにかく求人数が多いので紹介されるのも多いと思います。登録者数も多く、一番転職実績数が多いかもしれません。
支店数も多く応募書類の書き方、面接対策なアドバイスにも力を入れています。履歴書ツールの提供もありますので使い勝手もよく総合的におすすめできるエージェントです。
おすすめの転職エージェント③
・ビズリーチ
ミドルの中でも特に経歴に自信がある方に向いています。最低ラインが600万以上の年収の求人案件を多数抱えるハイクラスに特化したエージェントです。
他のリクルート系エージェントと違い、登録後にコンサルが付くのではなく「採用したい企業の担当者」や「ビズリーチに在籍している中小企業のヘッドハンター」がスカウトの形で声をかけてくる。したがって採用に直結しやすいという特徴があるが、そもそもキャリア次第では全くお声がかからないこともある。


条件に合う求人を探す
転職活動を開始したら求人票をチェックして応募するか検討します。その際に自分の希望する条件について一度、整理しておきましょう。
希望条件をすべて満たした求人は中々ないと思いますので、自分の中で優先度を考慮して応募するかどうか決めていきます。
求人票をチェックする
特に重要なチェックポイントを以下に掲載します。
項目 | チェック内容 |
---|---|
仕事内容、業種 | 自分の希望にどこまで近いか |
社名、ブランド | 信頼度、安定性、認知度など |
沿革 | どんな歴史を持った企業か |
収入 | 給与、賞与、各種手当と自分の希望の差異は |
福利厚生 | 転勤の有無、社宅、手当など |
就業場所 | 拠点の場所、通勤時間、転勤の可能性の有無 |
残業時間、休日日数 | できるだけ平均で見た方がよい |
企業研究をする
会社のHPを調べましょう。応募職種だけでなく、全体を見て会社の規模や将来性も参考にします。
特に採用ページは実際に働いている方が紹介されているケースが多いので参考になることがあります。
もし大企業であれば統合報告書やサステナビリティレポートといった開示書類をHPに公開しているケースが多いです。実はこの中には結構、企業の雰囲気が分かる活動なんかが掲載されていて、面接ネタとしても有用です。ぜひチェックしてみてください。
項目 | チェック内容 |
---|---|
主力製品、主力事業 | 売り上げ構成で何がメインか、自分の関心、希望部署の位置付け |
トップインタビュー | 会社が何に注力しているか、将来動向や価値観など |
売上、利益の規模 | 従業員数、売り上げ、収益など企業の安定度 |
社員インタビュー、職場紹介 | インタビュー、職場のイメージ、従業員の学歴水準 |
直近の採用者数、離職者数 | 新卒、中途の割合、離職者数とのバランス |
社内イベント、教育研修 | 社風の理解、社内イベント、活動 |
現職の退職準備
できる限り在職中に転職先を決めておくことが重要です。離職してからの活動の場合は職歴に空白期間ができてしまい、心理的に余裕がなくなるため、転職活動にも影響を及ぼす可能性があります。
転職活動は半年くらいまでを目標にしましょう。そのくらいの期間で目を通したり、紹介してもらった求人が、大体選択できる範囲の限界です。
転職エージェントは基本的には成果報酬のため、登録直後が一番力を入れて紹介してくれます。時間とともに良い求人に巡り合える可能性は低くなるのでダラダラと活動するのはやめておいたほうが良いです。
退職理由をどう伝えるか


日本の採用は仕事のスキルの高さよりも組織の中でうまくやっていけるかをとても重視します。海外の場合はジョブ型雇用がほとんどなので、ほぼ仕事のスキルだけで決まります。
日本も現代ではかなりジョブ型に切り替えてきている傾向にはありますが、それでも全体でみればまだまだ旧態依然とした昔の大量採用、定年雇用の考えは残っている企業のほうが多いのです。
注意してほしいのは、退職理由として会社や上司、仕事内容に対する不満が主要因の場合です。
どうせやめるのだから、あんなひどい扱いを受けたから、と退職する企業に対しては最後くらいは自分の不満をストレートに伝えたい気持ちは当然あります。
しかし当たり前ですが退職理由は転職先の面接でも必ず聞かれます。特に人間関係や仕事への不満等、後ろ向きな理由で退職した応募者に対して採用担当者は、うちでも同じことが起こるのではないかという視点を持ちます。
そのため退職理由について、本当は後ろ向きな理由だけであっても、前向きな理由も加えておいたほうが良いです。
無理やりにでもそうしておくことをおすすめします。
退職理由はその後の転職活動にも影響を与えることになる点は考えておきましょう。
内定後に退職するならそこまで気をつける必要はありません。
求人に応募する
中途採用は希望しても書類選考で落とされることは普通なのでいちいち落ち込む必要はありません。
ダメだったらさっさと次へ、というくらいのスタンスでいたほうが良いと思います。
面接を受ける段階までくれば、かなり内定まで近づいています。出来る限り準備をして臨みましょう。
面接の準備
その企業がどんな入社試験を過去にしていたか調べておく。(エージェントの場合は教えてくれるはず)
大企業の場合、SPIなどの筆記試験があるケースもあります。筆記対策は時間をかけても習得するのは難しいですが、できれば事前に参考書を見てはしておいたほうが良いです。
<面接前に準備しておきたいこと>
- 志望動機を簡潔にまとめておく、2,3分程度で言えるようにしておく
- 入社後の希望するキャリアプラン、など将来のビジョンを語れるようにしておく
- 面接以外に筆記試験やSPIなどがあれば最低限の対策はしておく
- 転職エージェントに面接対策を確認する
希望条件を確認するタイミング
給与や休日、役職などの条件面についても求人票だけでは分からない場合がありますが面接中に聞くのは避けておいたほうが良いです。希望条件については事前にエージェントに確認しておくか、面接後に(合格の場合)条件を提示されますので、そこで確認するのが一般的です。
まとめ
会社に勤めながらの転職活動は大変です。しかし無職になってからの活動はそれ以上のリスクがあります。
転職活動中は内定が出ていない段階では絶対に会社にバレないようにしましょう。仲の良い同僚であっても内緒のほうが良いと思います。思った通りに転職活動がうまくいかず、想定以上に継続して働くこともありえるので。
また希望する会社情報は求人票、HP以外にも口コミサイトからの情報も参考になります。
実際に社員が書いているため本音の意見を閲覧できるので、転職期間中だけでもOPEN WORKを使って企業の内部情報を知るのはおすすめです。
基本は有料ですがそれほど高くはありませんし、一時的なものです。自分が投稿することによって無料で全てを閲覧することもできるので是非試してみてください。


入社後に思っていた仕事と違いすぐに退職してしまうと、ミドルの場合は若手以上にその後の転職が厳しくなってしまうので、内定をもらったとしても、自分が希望する仕事内容、給与、福利厚生面などの条件を満たしているか納得したうえで入社し、自分のキャリアを積んでいきましょう。